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社労士連合会が政策提言を発表! 労働・社会保障の課題に対する7つの特...
社労士連合会が政策提言を発表! 労働・社会保障の課題に対する7つの特徴的提言とは?

全国社会保険労務士会連合会(社労士連合会)は、2025年3月13日、2024年度の政策提言・宣言「人を大切にする企業と社会の実現に向けて」を公表しました。 この提言は、労働法・社会保障制度および人事・労務管理の専門家である社会保険労務士(社労士)の視点から、以下の7つの特徴的な項目を含む全47項目で構成されています。
2024年度政策提言・宣言 7つの特徴的提言
- 国民年金第3号被保険者制度の見直し
専業主婦等が対象の第3号被保険者制度について、将来的な廃止を視野に入れた見直しを検討する。
- 育児休業・介護休業の労使協定適用除外の見直しおよび休業給付に係る被保険者期間の短縮
勤続1年未満の労働者が育児・介護休業を取得しやすくするため、労使協定による適用除外要件を勤続6か月に短縮し、休業給付の受給要件も同様に短縮する。
- 年金および各種手当の毎月払い
現在、隔月払いとなっている年金や手当を毎月払いに変更し、国民の生活設計の利便性を向上させる。
- オンラインでのハローワーク求職登録の解禁
ハローワークの求職登録手続きをオンラインで完結できるようにし、在職者の円滑な労働移動を促進する。
- 育成就労制度における監理支援機関への労働社会保障および労務管理の専門家による外部監査の導入
育成就労制度の監理支援機関に対し、労働社会保険諸法令および労務管理の国家資格者による外部監査を導入し、監査の実効性を高める。
- 厚生年金保険資格喪失時の国民年金への自動切換え
退職等で厚生年金保険の資格を喪失した際に、国民年金第1号被保険者への自動的な切り換えを行い、手続漏れによる未納問題を防ぐ。
- 75歳到達時の健康保険資格の自動喪失
75歳で後期高齢者医療制度に加入する際、従来の健康保険資格を自動的に喪失させ、手続漏れによる不具合を防止する。
社労士連合会による政策提言実績は3年目で過去の実績は以下の通りです。
過去の実績
- 特例措置対象事業場における法定労働時間週44時間制の見直し
特定の業種で常時10人未満の労働者を使用する事業場に適用されていた週44時間制の特例措置について、全ての事業場で週40時間制に統一する提言が、2025年1月8日に厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」報告書に盛り込まれました。
- 年次有給休暇取得日における賃金計算方法の統一化
年休取得日の賃金計算方法を、原則として「所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金」とする提言が、同研究会の報告書に反映されました。
- 副業・兼業における労働時間通算による割増賃金支払いの撤廃
異なる事業主間での労働時間通算による割増賃金の支払いを不要とする提言が、同研究会の報告書に取り上げられました。
- ストレスチェック実施の人数要件の撤廃
労働者50人未満の事業場にもストレスチェックの実施を義務付ける提言が、2025年1月17日付の「今後の労働安全衛生対策について(建議)」に盛り込まれました。
- 小規模事業場への健康管理支援体制の見直し
メンタルヘルス対策等が困難な小規模事業所への支援策拡充を求める提言が、同建議に反映されました。
全国社会保険労務士会連合会は、現場の声を大切にし、社労士の皆様からの意見を政策提言に反映させるために日々努力しています。 労働環境や社会保障制度の改善に向けて、現場で感じる課題や提案について、社労士連合会会員HPの専用フォームより声を届けることができます。
政策提言は、社労士の皆様の意見があってこそ、より実効性のあるものとなります。意見募集は通年で行っていますが、毎年6月15日までに寄せられた意見は、翌年3月に発表される政策提言に反映される可能性があります。
『こうすればもっと働きやすくなる』『この制度は現場ではうまく機能していない』といった声が、社労士事務所の現場から多く寄せられ、それが社労士連合会を通じて厚生労働省の審議会などで議論されるようになるといいですね。