この調査(労働経済動向調査)は、景気の変動が雇用などに及ぼしている影響や今後の見通しについて調査し、労働経済の変化や問題等を把握することを目的に、四半期ごとに実施しています。また、今回は特別項目として、「令和6年度新規学卒者の採用枠での募集」及び「働き方改革の取組」についても調査しています。対象は全国の主要産業の事業所で、雇用動向・賃金動向・人手不足状況などを中心にヒアリングやアンケートで情報を収集しています。
(1)長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現への取組
長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現に「取り組んでいる」事業所の割合は調査産業計で78%となった。「取り組んでいる」事業所について、取組内容(複数回答)をみると、調査産業計では「業務の効率化を進める」とする事業所の割合が67%と最も多く、次いで「時間外労働の事前申告制」54%、「長時間労働抑制に関する数値目標の設定」45%などとなった。
(2)雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保の実現に向けた取組
同一労働同一賃金など、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保の実現に向けて「取り組んでいる又は取り組んだ」事業所の割合は調査産業計で62%となった。
「取り組んでいる又は取り組んだ」事業所について、取組内容(複数回答)をみると、調査産業計では「基本給」とする事業所の割合が56%と最も多く、次いで「福利厚生」54%、「諸手当」53%などとなった。
本調査は、国内の雇用情勢が改善しつつも、業種によっては人手不足が依然深刻であることを示しています。賃上げ機運の高まりや働き方の多様化が進む一方、今後も労働力確保に向けた対策が求められる状況です。