厚生労働省は、2026年10月から3年間の時限措置として、パート従業員の社会保険料負担を企業が肩代わりする特例を導入する方向で調整を進めています。
この特例措置は、パート従業員が社会保険の適用拡大により「年収の壁」を意識して就業調整を行うことを防ぐためのものです。現在、健康保険組合では組合規約を通じて、被保険者の負担を軽減する特例を認めていますが、厚生年金保険では同様の仕組みが存在しません。そこで、被用者保険の適用拡大に伴う収入減少を回避するため、企業が労使合意のもとで被保険者の保険料負担を軽減し、事業主負担の割合を増やすことを認める特例の導入が検討されています。
賛成 |
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反対・慎重意見 |
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本特例については、賛成意見が多いものの、制度の細部に関しては意見がまとまっていません。肩代わりした保険料の還付割合を8割ではなく全額にする、パートの労働時間や賃金を増やした企業への助成金拡充など、中小企業の負担軽減策や、特例の持続可能性に関する議論なども必要と思われます。
政府は、社会保障審議会年金部会での意見を踏まえ、具体的な制度案の検討を進めていく方針です。
詳しくは、厚生労働省の「第24回社会保障審議会年金部会」の資料1P17〜19あたりをご参照ください。